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再認
3,300日以上の間に、目先の1勝を巡る90分の争いを、幾度見ただろう。愛着とは、かつて同じ時間を過ごした“接点”の有無を示す概念。ピッチに立つ選ばれし22人には、思い入れがある選手も、皆無の選手も、当然いて。

<J1第20節@8/21カシマ>
鹿島アントラーズ 0-1(前半0-0)セレッソ大阪

どうやったら「ピンチ」を芽吹く前に摘んでしまえるのだろう?―フットボールは、そんな愉しみも内包していると教えてくれた人の“里帰り”を見に行きました。

セレッソのアタック、ゴールラインを割りそうなボールへの対処として、相手と併走したCB伊野波さんのカバーへ入り、ボールを相手の脚へ当てて出す…冷静に味方ゴールキックを導いていた、この日がJリーグデビューだったアントラーズ左SB。

宮崎「(先発を)言われてからは2時間くらい、なにものどを通らないような感じでした。なかなか時間が経たないんですよ。テレビを見ていても時間が過ぎなくて」(J'sGOAL)

ベンチ入りの経験さえなかったRKU卒業生を、就任以来、初出場初先発の実績なしのオリヴェイラ監督が使ってくるとは各所プレビューも予想していませんでしたし、私はその可能性を僅かさえ考慮しませんでした。だから、スターティングメンバーが発表された時には…!

動き出したFWが、走り着くだろう先を見据えたパスの、スピードコントロール。それも良かったけれど、何よりも宮崎さんらしいと感じたのは、落ち着いたカバーリングでした。RKU時代、CBとして起用され、ゴール前の柔らかな障壁として、何度も何度も相手ボールを掬い取った姿と即座にリンクしたのです。サイドへ振られたボールを足元に収めるトラップも、左足から繰り出すボールのコントロールも持ち味だけど、私にとっては、カバーこそが宮崎さんの記憶を引き出すトリガーだったのです。

RKU卒業生といえば、セレッソにレンタル移籍の経験もある船山家の祐二お兄様もベンチ入り。出番はありませんでしたけど、スタメン発表ではセレッソサポーターの拍手を受け(逆に、羽田さんと石神さんはアントラーズサポーターに特大のブーイングを頂戴しました)、試合後はかつての同僚へ駆け寄り、言葉を交わしていました。

試合は乾さんの叩き出した虎の子の1点を、アントラーズが奪い返せず―FWがボールを保持できないとアタックは結実しない―終わったのですが、私にとっては、言ってしまえば、キックオフ前で既に終わっていました。単に具現化された事象を眺めていただけというか。

「今日(=前節FC東京戦)は、いいバランスでできたから、次も出たいですけどね。でも、多分(先発は)ないんじゃないですか」
マッチプレビューが掲載された、金曜売りエルゴラでの、羽田キャプテンの発言。
「試合に出られないからと言って、キャプテンが腐っていられないでしょ。今はみんな自信を持ってやっているし、攻守のバランスが凄くいい。鹿島相手でも勝ちを狙いたい」

セレッソは昔からアントラーズに相性がいいのですが、その言葉で片付けるのは失礼だと感じるくらい、セレッソは生き生きしてました。前線には家長様(この人が桜のユニフォームを着ているのには、やはり思うところが)や乾さんと規格外のドリブラーを擁し、後方では茂庭さん大海さんがガッチリ守るという。

何より、アントラーズから勝ち点3をもぎとったセレッソのベンチ前で、サブメンバーが輪になって喜んでいた光景が、強さの証。

「個人的には、途中出場でもいいから、鹿島スタジアムのピッチに立ちたい」という、私と羽田さんの望みは叶わなかったけれど、それも仕方ないと納得できる展開でした。交代枠の残り枚数を数える時間に慣れてきている自分は、あんまり好きじゃないですけれども。

過去の蓄積である愛着に意味がないとは思わないですが、貪欲に未来を刻んでいくものだけが美しい足跡をつけていけるのだとも思いました。大切なのは、昔以上に、今なのだと。
2010/08/28 01:56:15 | other Footballer | Comment 0 | Trackback 0
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